妊娠・結婚
これはスティ子が生まれ、私がアラフォーママになるまでの少し昔の事です。
その頃私は35歳。
自分が結婚をして家庭を持つというビジョンも予定もなく、「1人で生きるなら好きな仕事をしよう!」とそれまで惰性で続けていた仕事を辞め、資格取得の為動き出していました。
しかし人生っておかしなもので、そんな時に限って素敵な男性から告白され付き合う事に。
そして妊娠しました。
それがきっかけで結婚。いわゆる授かり婚です。
それからは両家への挨拶や新居探し、ベビーを迎える準備などでバタバタした日々でした。
『1人で生きる』と思っていた私が『3人家族になる』なんて望んだ以上の幸せに、まるで誰かが私の運命を後押ししてくれているようだなとさえ感じていました。
戌の日のお参りへ
引っ越しが終わり、出産する病院も決まり、妊娠5ヶ月目の検診を終えた頃、家族で戌の日のお参りへ行きました。
お参りしたのは東京で安産祈願ならここ、と有名な水天宮。
戌の日はかなり並ぶと聞いていましたが予想以上の人の多さに驚きながら妊婦さんとその家族の長い列に並びました。
季節は春とはいえ朝は肌寒い4月。
コートの上からストールを掛けても少し寒いなと感じながら順番を待ちました。
やっと中に入って合同での安産祈願。
その際うっかり戴いた御守りを落としてしまいました。
外で待っていた家族と合流した後も、旦那まで同じく御守りを落とし「縁起が悪いなぁ」と思いながらも、もう一度列に並んで御守りを貰い直す気にはならず…。
お参りを済ませた後は、築地でマグロ丼を食べ、銀座辺りまで散歩し、上野動物園に寄って帰りました。
帰る頃には寒さも増し、身体はすっかり冷え切って…。
後で考えればこの時から人生で最も悲しい思いをする出来事は始まっていました。